2014年10月15日水曜日
乾くるみ著作『セブン』 トリッキーな世界観と頭脳戦に圧倒される短編集
乾くるみ著作『セブン』 トリッキーな世界観と頭脳戦に圧倒される短編集
個人的には、心理部分を深く掘り下げて、もっと緊迫感を出しているほうが好みだが、読み途中で何度も戻って読むのはもちろん、真相を知った上で、繰り返し読んでも面白く、読み込みがいのあるミステリー作品だった。乾くるみ
女子高生たちのふとした日常が突然息もつかせぬデスゲームに。
はじめの設定には面食らったが、『ラッキーセブン』はいちばんインパクトがあり、面白い作品だった。
スピーディな展開で頭脳戦×心理戦が繰り広げられる。話についていくのに苦労して、何度も読み返した。
『小諸―新鶴343キロの殺意』はこじつけっぷりが面白い。よくもまあこんなにこじつけたもんだと感心する。
主要登場人物三人の価値観だとか考え方が少々ズレているのが、「なんだそりゃ」感をより強くし、小気味良く感じる不思議な作品。乾くるみ
『TLP49』は出だしには混乱したが、事情がわかってくると先の読みやすい内容だった。主人公の気持ちと同化しやすく、なんとなくだった不安感が徐々に形を表し、加速していくスリルが楽しい。
ストーリーの流れをバラバラにする表現方法がうまく使われていると思う。
『一男去って……』と『殺人テレパス七対子』はこの短篇集の中では割りとゆるやかなテンポで進められ、頭休めにちょうどいい内容になっている。
特に『一男去って……』はかなり短い作品だが、カラリとした毒が楽しい。
エロティックな内容の『木曜の女』は、女性なら誰でも持っていそうな7つの側面を切り出して強調しているように感じた。女性としてとても興味深い。男性もこのような生活に憧れたことがあるのではないだろうか。
本作の書きおろし作品である『ユニーク・ゲーム』は、最後を締めくくる物語として持ってくるのは、正直やめてほしかった。
『ラッキーセブン』と同様、一見シンプルなゲームが相手の心を読み合うスリリングな心理ゲームとなり、かなり読ませる内容である。
だが、秀逸な作品だからこそ釈然としない思いが強く残るのだ。この一冊をこの気持ちで終えるのはもったいない気がするのである。乾くるみ
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