2014年10月8日水曜日
<ノーベル賞>名大関係者6人目 進取の気風結実
<ノーベル賞>名大関係者6人目 進取の気風結実
ノーベル物理学賞の受賞が決まった赤崎勇、天野浩両氏が青色発光ダイオード(LED)の開発に成功したのは、赤崎氏が名古屋大教授、天野氏が同大学院生時代だ。21世紀に入ってからの日本のノーベル賞受賞者13人のうち、名大在籍・出身者は半数近くの6人に上る。名大は旧帝国大の中では最も歴史が浅いが、近年の受賞ラッシュで存在感を示している。ノーベル化学賞
赤崎氏は1959年に名大助手となり、民間企業で17年働いた後、81年に名大教授に就任。現在も特別教授だ。天野氏は赤崎氏の教え子で、83年名大電子工学科卒。2010年から名大教授を務める。近年の受賞者では、野依良治(01年化学賞)、小林誠(08年物理学賞)、益川敏英(08年物理学賞)、下村脩(08年化学賞)の4氏が名大で学生時代や研究生活を送った。
名大の前身、名古屋帝国大は1939年の創立。60年代に名大に学んだ益川氏は「他の大学に比べて若く、われわれがこれから伝統を作るんだ、という意欲があった。科学によって世界に羽ばたくしかないという雰囲気が周囲にあった」という。名大の沢木宣彦名誉教授は「自由闊達(かったつ)な雰囲気で研究に没頭できる。それが今回の受賞につながった。名古屋の人は質実剛健で、地道にやれば報われるという雰囲気が地元にある」と分析する。
また、物理学の故坂田昌一博士(1911~70年)、化学の故平田義正博士(15~2000年)ら旧帝大の権威主義を嫌った教員が多く、後進の指導にあたった。それぞれ「坂田スクール」「平田スクール」と呼ばれ、優れた研究者を輩出した。小林、益川両氏は坂田スクールの出身。野依氏は平田博士によって京都大から引き抜かれ、下村氏も平田スクールで博士号を取得している。
赤崎氏の下で大きな成果を出した天野氏にも、この伝統は引き継がれている。天野研究室の本田善央准教授(38)によると、天野氏は「研究の虫」。8日早朝には学生が研究室に集まり、受賞決定を改めて祝った。本田氏は「研究には頭で考える部分と、馬力が必要な部分もある。名大はそのバランスをとれる研究環境が整っている。我が道を極めるには最適な教育環境であり、受賞は後輩にも刺激になる」と話した。
相次ぐOBの受賞に、名大の浜口道成学長は「(他大学に)すごいでしょと言いたい。『ものづくり名古屋』を象徴する受賞。できるかどうか分からないけど努力するという名大のムードが受賞につながった」と喜び、「8日(ノーベル化学賞)も期待している」と、さらなる朗報を待ち望む。ノーベル化学賞
◇名古屋大関係者のノーベル賞受賞者(敬称略、受賞順)
野依良治(化学賞、2001年)
名古屋大教授時代、物質を化学的に合成する際の触媒を工夫し、欲しい型だけを選んで作り出せる「不斉合成」を開発。医薬開発などに貢献した
小林誠、益川敏英(物理学賞、2008年)
両氏とも名古屋大卒。3種類しか存在が確認されていなかった素粒子クォークが「6種類以上必要」とする「6元クォーク模型」(小林・益川理論)を考案した
下村脩(化学賞、2008年)
元名古屋大助教授。オワンクラゲから「緑色蛍光たんぱく質(GFP)」を取り出し、発光の仕組みを解明。GFPは生命科学研究で広く応用されている
赤崎勇、天野浩(物理学賞、2014年)
赤崎氏が名古屋大教授時代、天野氏が学生として師事。窒化ガリウム結晶の製造技術を確立し、長年不可能だった青色発光ダイオード(LED)の開発に成功ノーベル化学賞
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